2014年に読んだ本のまとめ


一応、備忘録として。


2014年の読書メーター
読んだ本の数:40冊
読んだページ数:9312ページ
ナイス数:89ナイス

小説 野性時代 第128号 (新野性時代)小説 野性時代 第128号 (新野性時代)
読了日:12月30日 著者:
死の棘 (新潮文庫)死の棘 (新潮文庫)感想
作者はさすがに私小説書きであるから、自分の気持ちを表現することには長けている。でも妻の気持ちを顧みることは全くできていない。言っても仕方ないことを綿々と責めつのる妻への不満が常に根底にあるのを感じさせ、そんな作者の性質が妻ミホをひたすら追い詰めたに違いない。同情を禁じ得ない。もちろんミホに。
読了日:12月10日 著者:島尾敏雄
芸術新潮 2014年 09月号 [雑誌]芸術新潮 2014年 09月号 [雑誌]感想
奇異な世界を描く異端の画家というイメージとは程遠く、敬虔なキリスト教徒だったというボス。作品の背景や制作の動機など、その時代の宗教画のあり方を下地に理解することができる好特集。
読了日:11月27日 著者:
小説 野性時代 第127号 (KADOKAWA文芸MOOK 129)小説 野性時代 第127号 (KADOKAWA文芸MOOK 129)感想
葉室麟「蒼天見ゆ」、え〜まさかの主人公夫妻死亡。そうかここまで伏線だったのか……うるっときちゃったなあ。
読了日:11月24日 著者:
夜感想
お母さまは優しくて、お月さまはみんなのことを見守っている。優しい気持ちで眠るお嬢ちゃん。面白くない。
読了日:11月12日 著者:竹久夢二
風感想
坊やが風に飛ばされた帽子にはリボンがついている。モダンやね。
読了日:11月11日 著者:竹久夢二
朝感想
竹久夢二って文章も書いてたの? とDL。挿絵に添えられる程度の、数ページのメルヘン。まあ感想を抱くほどの量もなく……
読了日:11月7日 著者:竹久夢二
檸檬檸檬感想
速読二冊目、例によってさっぱり分からず再度精読。こんな短篇は面倒がらず、最初からちゃんと読まなきゃダメね。とても短い中に、通底する不安と、時折顔をもたげる生の感覚とがリアルに描かれていた。
読了日:11月2日 著者:梶井基次郎
芸術新潮 2014年 08月号 [雑誌]芸術新潮 2014年 08月号 [雑誌]感想
あまりにも描き尽くされた感のあるヌード表現を、現代作家がどのような感覚で作品にしているのかインタビューを交え掲載、なるほどとても興味深く読んだ。特に芸大における(不遇な)境遇は、状況がリアルに目に浮かび恐ろしいような笑えるような。
読了日:11月2日 著者:
蟹工船蟹工船感想
なるほど当時はセンセーショナルな内容だっただろう、後世において教科書にも載るほどに。でも現代の私がこれを読んでも共感するところは一つもない。確かに私も資本家に搾取される側の人間として憂き目を見たことは多々あるが、だからといって社会主義の方が優れているなんてサラサラ思えない。どんな体制でも、必ず被害者は出てくるのだ。
読了日:10月30日 著者:小林多喜二
だしの取り方だしの取り方感想
だしの取り方に関するエッセイ的なものかと思いDLしてみたら、本当にだしの取り方だった。
読了日:10月25日 著者:北大路魯山人
小説 野性時代 第126号 (KADOKAWA文芸MOOK 128)小説 野性時代 第126号 (KADOKAWA文芸MOOK 128)感想
Q-goとスタープレーヤーが最終回。私の中では対照的な印象だったこの二作。当初冴えないオッサンの話かと思わせたQはその後渋谷を舞台にした一大青春物語と発展し、今号ほろ苦くも爽快な読後感が誠に心地良かった。一方、おや面白そうと思って読み進めたスターは、安いラノベみたいな展開で読むたびガッカリし、その方向が修正されることなく終了。
読了日:10月20日 著者:
訣別の森 (講談社文庫)訣別の森 (講談社文庫)感想
AだからBをする。
Cの場合はDだろう。
……という記述のことごとく、私ならAならBをしないし、Cの場合Dをしない。
登場人物がみんなそんな感じで、たくさん人は出てきたが、誰にも共感できない。
知床を舞台にしたドクターヘリの搭乗員が主人公のミステリー、って聞いたときは面白そうだったんだけど期待外れ。まあ、この作家と私の相性が良くなかったってことだろうか。
読了日:10月6日 著者:末浦広海
芸術新潮 2014年 07月号 [雑誌]芸術新潮 2014年 07月号 [雑誌]感想
ジャポニズムとは日本風の風物が描き込まれているのみならず、構図など一目見てそれとは分からない部分にもジャパンの影響を受けているものはジャポニズムと呼ばれ、分かりにくいだけに、それがジャポニズムと言われるべきか否かについては専門家でも意見が分かれることがある、と。ふうむ!なるほど。
読了日:9月30日 著者:
【Amazon.co.jp限定】野性時代 125号 映画『サンブンノイチ』オリジナルポストカード付 (KADOKAWA文芸MOOK 127)【Amazon.co.jp限定】野性時代 125号 映画『サンブンノイチ』オリジナルポストカード付 (KADOKAWA文芸MOOK 127)感想
篠田節子「インドクリスタル」最終回。壮大な話だったなあ。正しいのかどうかは分からないが、この物語でかなりインドのイメージがインプットされた。
読了日:9月21日 著者:
芸術新潮 2014年 06月号 [雑誌]芸術新潮 2014年 06月号 [雑誌]感想
玉さまが美しくて美しくて、美しくて……。指の先まで美意識の権化。玉三郎の内面まで迫った内容かといえば違うけど、写真がたくさん見られたからOK。
読了日:8月30日 著者:
小説 野性時代 第124号 (KADOKAWA文芸MOOK 126)小説 野性時代 第124号 (KADOKAWA文芸MOOK 126)感想
警察小説特集。あまり興味を持ってないジャンルをこうやって紹介してもらえるのは良いものの、いざそれを読んでみたら面白くないとか。まあもともと興味がないから仕方ないか。
読了日:8月24日 著者:
芸術新潮 2014年 05月号 [雑誌]芸術新潮 2014年 05月号 [雑誌]感想
特集がオシャレ過ぎと言うか観光ガイド過ぎというか、なんだか商業の匂いが鼻について、あまり好きになれなかった。
読了日:8月2日 著者:
町長選挙: 3 (ドクター伊良部)町長選挙: 3 (ドクター伊良部)感想
三部作の完結編。バカバカしいことに大真面目に取り組む表題作は一大スペクタクルの出来で、なんかこれだけで別作品が一本できそうだけど。逆に言えばドクター伊良部の個性が埋没というか。まあシリーズものはこんなもんでしょ。
読了日:7月26日 著者:奥田英朗
空中ブランコ: 2 (ドクター伊良部)空中ブランコ: 2 (ドクター伊良部)感想
イン・ザ・プールに続き。短編連作で、サクサク読める軽さは前作同様。神経を病んでる人々の悩みは一歩間違えば自分にも有り得るという身近さ、主人公たるトンデモ医者の描写も、やりすぎて嫌味になることのない手際で書かれお上手。まあ後に何も残らないけど、面白かった。
読了日:7月14日 著者:奥田英朗
小説 野性時代 第123号 (KADOKAWA文芸MOOK 125)小説 野性時代 第123号 (KADOKAWA文芸MOOK 125)感想
Q-goを毎号淡々と読んできているのだが、一体この世界観はなんなんだろう。普通の、退屈な、よくある光景なのに、目が離せない不思議ワールド。なんなのだ。
読了日:7月13日 著者:
芸術新潮 2014年 04月号 [雑誌]芸術新潮 2014年 04月号 [雑誌]感想
謎の国宝、風神雷神図を手掛けた謎の作家、俵屋宗達の年譜と作品について、一つの仮定に基づいて紐解こうという特集。結果、何が分かったかというと、宗達はやっぱり謎だねってことか。
読了日:6月30日 著者:
イン・ザ・プール (文春文庫)イン・ザ・プール (文春文庫)感想
奥田英朗の人を食ったようなエッセイを読み、小説にも興味を持って読んでみた。ベストセラーとなったこの作品は今から十年前の作品ながら、作家の態度は今も昔も変わらないわけだ、と分かってほくそ笑む。人を食ったような精神科医の、皮肉に満ちた、でも現代人への愛ある視線を感じる物語。面白かった。
読了日:6月27日 著者:奥田英朗
小説 野性時代 第122号 (KADOKAWA文芸MOOK 124)小説 野性時代 第122号 (KADOKAWA文芸MOOK 124)感想
冒頭、冲方丁桜庭一樹の対談。なんか若いなあ。まあ同年代といっても良いくらいだろうけど、読んでてちょっと恥ずかしくなっちゃった。
読了日:6月16日 著者:
芸術新潮 2014年 03月号 [雑誌]芸術新潮 2014年 03月号 [雑誌]感想
今月号も藤田一人のエッセイに共感、美術作品専門に弔ってくれる寺とか神社、できないかなあ。定期的に美術品バザーとか開いちゃったりね。
読了日:6月2日 著者:
小説 野性時代 第121号 (KADOKAWA文芸MOOK 123)小説 野性時代 第121号 (KADOKAWA文芸MOOK 123)感想
冲方丁の次回作は勝海舟か、ふーむ!
読了日:5月10日 著者:
1リットルの涙―難病と闘い続ける少女亜也の日記 (幻冬舎文庫)1リットルの涙―難病と闘い続ける少女亜也の日記 (幻冬舎文庫)感想
難病で身体の機能が失われていく少女の、書く機能がまだ残っていた頃までの手記。これ自体も切ない本だが、むしろこの後、書くこともできなくなってただ寝て過ごした、亡くなるまでの数年間のことを想像する。果たしてその気持ちには考えがとても及ばない。
読了日:4月22日 著者:木藤亜也
小説 野性時代 第120号 (KADOKAWA文芸MOOK 122)小説 野性時代 第120号 (KADOKAWA文芸MOOK 122)感想
近藤史恵『さいごの毛布』最終回、エッ最終回。最後の「了」を見るまで最終回に全く気付かなかった稀有なる作品、淡々としておりましたなあ。
読了日:4月14日 著者:
橋のない川 (4) (新潮文庫)橋のない川 (4) (新潮文庫)感想
わけもわからず、いわれのない差別と貧困にあえぐ幼い兄弟にしみじみ同情を寄せて読んできたが、ここにきていよいよ兄弟たちは共産思考に染まり、それでも飽き足らず全ての登場人物たちの口を借りて作者がこれでもかこれでもかと共産万歳をぶちあげる。これまでの人物造形はなんだったのだ、こんなの著者の横暴じゃん。
読了日:4月9日 著者:住井すゑ
芸術新潮 2014年 02月号 [雑誌]芸術新潮 2014年 02月号 [雑誌]感想
一番印象に残るのは、得てして大特集ではなかったりする。今号もそんな感じで、「日展不正何を今更」の1ページにクスッときたり。
読了日:4月5日 著者:
All You Need Is Kill (集英社スーパーダッシュ文庫)All You Need Is Kill (集英社スーパーダッシュ文庫)感想
ヤンジャンを待ちきれないので原作を読むことにした。漫画化された作品は原作にとても忠実ということが分かった。というかこの作品自体がとても漫画的で、漫画並みにサクサク読める。これはこれでありだろうけど、もっとここをこうすれば……ともどかしさの残るラスト、でもまあ面白かった。
読了日:3月25日 著者:桜坂洋
芸術新潮 2014年 01月号 [雑誌]芸術新潮 2014年 01月号 [雑誌]感想
つげ義春の原画掲載。絵上手いなあ。
読了日:3月15日 著者:
小説 野性時代 第119号 (KADOKAWA文芸MOOK 121)小説 野性時代 第119号 (KADOKAWA文芸MOOK 121)感想
『凍影』最終回。ヤクザものは読んだことも読みたいとも思ったことはなかったけど、これは終始面白かったなあ。スッキリ。
読了日:3月3日 著者:
ショッピングの女王 (文春文庫)ショッピングの女王 (文春文庫)感想
こういう人っているんだね。という共感も反感も何も感じずスベッと無感動に読了、時間つぶし用にしても時間が勿体無かったか。
読了日:3月1日 著者:中村うさぎ
芸術新潮 2013年 12月号 [雑誌]芸術新潮 2013年 12月号 [雑誌]感想
外で読めんかった。
読了日:2月25日 著者:
橋のない川〈3〉 (新潮文庫)橋のない川〈3〉 (新潮文庫)感想
差別に対する素朴な疑問を抱く少年時代から、それを政治問題として意識し始めた青年に育った主人公を描く。自分より下がいることで安心する社会構造において、最下層はどうして社会に安心できるのか。それはつまり天皇制打倒……という理屈に至る理由を綿々と紡いでいる。あらゆる建前が天皇の名において行われていた時代、その尊敬の念が今ではいまいち理解できないように、その深い憎しみもいまいちピンとこない。
読了日:2月12日 著者:住井すゑ
芸術新潮 2013年 11月号 [雑誌]芸術新潮 2013年 11月号 [雑誌]感想
「…だった。…のです。」という異なる語尾を混在させる文章を書く人が主要なテーマを担当してるっぽいので、もう内容そっちのけで毎号鬱陶しいんだけど。
読了日:1月27日 著者:
眠れぬ夜に読む本 (光文社文庫)眠れぬ夜に読む本 (光文社文庫)感想
書かれた時期はやや古いけれども、現代でもちょっとした観光ガイド的な使い方ができるエッセイ集。旅情をそそられた。
読了日:1月21日 著者:遠藤周作
小説 野性時代 第118号 (KADOKAWA文芸MOOK 120)小説 野性時代 第118号 (KADOKAWA文芸MOOK 120)感想
哀切の小海線が最終回。西村京太郎を初めて読んだが、これお金貰って書いてんの? へ〜……
読了日:1月9日 著者:
小説 野性時代 第117号  62332‐20  KADOKAWA文芸MOOK (KADOKAWA文芸MOOK 119)小説 野性時代 第117号 62332‐20 KADOKAWA文芸MOOK (KADOKAWA文芸MOOK 119)感想
筒井康隆って変人だなあ。まあ作家なんてみんな変人ばっかなんだろうけど。
読了日:1月1日 著者:

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