バレエ発表会の練習が始まっている。
といっても本番は半年も先のことで、私の通っている教室では毎年このくらいの時期から準備を始める。その甲斐があってかお客の評判は上々らしい。お遊戯会に毛が生えたようなもんなので、当然技術的な評判が良いわけではなくて、とりあえず音に合ってるとか、照明が乱れないとか、ちゃんと整列してるとか、そういう舞台を創る上で至極当然な段取りについて評判が良いとのこと。


私の腹心の友、バレエに魅せられたキョンコスカヤさんから聞く話はいつも私を戦慄させます。田舎の小さなバレエスタジオ所属の私は、自分が如何に恵まれた舞台運営に携わっているのか気付くこともなかったけど、彼から聞くお、お、おぞましい魑魅魍魎の前衛バレエ発表会の数々を知らされるうちに、いかにこんな当然の事をせずにいみじくも「舞台」をこなす変な人たちがたくさんいるか、ということを知りました。


キョンコスカヤさんは11月に、ご自身が主宰している「噴水キャバレエ」の自主公演を控えています。彼の文才とブラックユーモアには私は及ぶべくも無く、一目も二目も置いています。才気溢れる彼によるバレエを取り入れた、美しい踊り子さんたちの舞い踊るショーは、きっと楽しいひと時となるでしょう。東京にお住まいの方で、バレエやショーに興味のある方はどうぞキョンコスカヤさんのサイトを訪れてください。チケットの入手方法などについても書かれています。


さて私の演目はコッペリアから「戦い」のヴァリエーションです。元々男性振りだし原型もあるのか無いのか分からないもので、完璧に先生の創作振り。アラベスクグリッサードグランパドシャ〜みたいなありがちの。膝も足首も曲がったタコ戦士が舞台をヨタヨタ横断と言うわけ。