『ハウルの動く城』

言わずと知れた日本アニメ界の巨匠による最新作です。確立された世界観に個性豊かなキャラクターたち、練り上げられた社会風刺を交えたシナリオ、だというのにどうしてこんなに物足りないのだろう?これは飽食の時代に生き、普段の粗食に耐えねば美食を美食として捉えられない現代人たる私自身に問題があるのだろうか?どこもかしこも既視感がつきまとい、宮崎アニメに無くてはならない存在となった美輪大権現さまのキャスティングもなんだかマンネリで、こっそり私が長きに渡り愛しているキムタク兄さまの、声だけになってもやっぱりキムタクになってしまう大根役者ぶりも、何もかも新鮮味に欠けているのだ。


カリオストロの城ラピュタナウシカあたりの清冽なる輝きは、まだ新進気鋭だった頃のジブリが放った斬新さによるものなのか、それともまだ見たことのないものを見た我々鑑賞者の土壌が先入観に汚されていないことによるものだったのか、ディズニーアニメのシリーズを見ていると、なんとなく後者のような気もします。
私的評価★★★☆☆