『ハイドアンドシーク』

『24』の予告編にしつこく入っていたので、レンタル開始を待ちかね借りてきた一本。純然たるホラーかと思いきや、意表をつくサイコサスペンス。NYに住む快活な少女エミリーは、自宅のバスタブで自殺した母親の姿を見てから心を閉ざしてしまう。ロバート・デ・ニーロ扮する心理学者の父親は、エミリーのために郊外の小さな町に移り住み心を癒そうとするが、エミリーは心のはけ口として想像上の友達「チャーリー」を作り出してしまう。次々と起こる不可解な出来事を「チャーリー」の仕業だと言い張るエミリー。しかし遂に起きた殺人事件をきっかけに、思わぬチャーリーの正体が浮かび上がる・・・


デ・ニーロの年齢ではちょっと違和感のある娘の低年齢が気になるところではあるものの、好演は冴える。不自然な笑みを浮かべるいわくありげな隣人、夜中に家を訪れる管理人、田舎町の理想を裏切る親切心の無い保安官など次々現れる怪しげな人物たちに、そしてデ・ニーロ扮する父親の、眠りの中で浮かんでは消えるイメージの断片がミステリアスに物語を交錯する。「大ヒットした映画」にシナリオがやや似ている感じがあり斬新というわけではないが、映画としての完成度は高く、意外な方向に収束する結末といい、血がドバーっと出るだけばかりのホラーだと思って見始めたので、予想外に面白い映画だった。「大ヒットした映画」同様、結末は決して他人に話さないで下さい・・・だそうだ。
私的評価★★★★☆