屋久島その4(了) 宮之浦岳(四座目/百)

4日目

私にとって屋久島に来た目的は、縄文杉でも、もののけの森でもなく、この日の宮之浦岳登山でした。むくっと起きて足を屈伸すると、なんと痛みが消えています。結果、前日のリハビリは吉と出たようです。ただ違和感は残り、登れたとしても下山がどうなるか分からない感じではありました。途中下山を覚悟の上、登山決行します。


登山道の途中、いくつも湿原があります。日本で最南端の高地湿原だそうです。道には常に水が流れ、湧水や川の水を汲んで飲むことができ、澄みきって豊富な水量に驚きます。野生の大きな哺乳類はシカとサルくらいなので、水さえ出ていれば、人間によって汚染されていない限り、どこでも飲むことができるそうです。本土では絶対できないことです。



あまりにも天気が良すぎ、容赦なく太陽が照りつけますが、これまでの登山でこんなに終始好天だったことは初めてのことです。テンションが上がり、すっかり元気です。私の膝を危ぶんでルート変更を提案していたガイドさんも、頂上まで連れてってくれました。まあ上りは大丈夫なんだけどね・・



テッペン、九州最高峰1936m。本当の頂上は後ろのオジサンが立っている岩場です。初めてガイド付き登山をしたせいか、辛い登りもあっという間に進んだ気がします。尾根から見渡す山々の稜線が青い空にくっきりと映え、感動的な光景でした。・・・が、如何せん標高が大して高くないため、テッペンなのにものすごい虫。弁当にも虫が飛び込む。さっさと下り始めます。
思った通り、ほどなくして膝が悲鳴を上げ始めます。下りは登りの何倍もつらいです。ただ、直線でだらだら長い縄文杉の登山道とは違い、段差は大きくても距離は短く、比較的ダメージを受けずに済みました。加齢からくるこの変化は、もう避けられない運命なんでしょうか・・・大して登山歴も長くないのに、もう登れなくなるなんてちょっと切ないです。


5日目、最終日。ぐっすりと眠り、膝もそれほど痛みはない。ゆっくり朝食を採り、ホテルの目の前にある港から海路鹿児島港へ。島はあっという間に消えていく。さよなら屋久島!なんか毎日登山で、ハードでした。鹿児島空港から名古屋へ。やっぱり飛行機は乗りたくないです。でも終わってみれば、楽しかったな〜。帰った途端、引っ越しの地獄へと引きずり込まれるのでした。