木曽駒ヶ岳 二回目 1/2


登山を始めて3年、何故か毎年登る羽目になっている木曽駒に今年も再びアタック。というのも登山を始めたきっかけが新田次郎を読んだことであり、聖職の碑を見るためであり、木曽駒に登ることであったからだ。1回目はロープウェイから出発し、悪天候のため8合目で断念。2回目は桂小場から出発し、時間切れで西駒山荘で断念。上からも下からも、あと一歩のところで引き返してきた。今回はまさに満を持し、桂小場からスタートで山頂小屋泊まりする余裕のスケジュール。膝がぶっ壊れているのでスーパースローペースでの登頂を目指す。



9月11日、7時前くらいに桂小場をスタート。屋久島の宮之浦岳の時といい、今年は山運が良く快晴に恵まれ、碑への期待が高まる。のと反比例して、まだ1時間も歩いてないってのに膝がおかしなことになってくる。だらだらとした緩斜面の上り坂が続く。下山時にこの坂が膝へとどめを刺すことは経験済み。やっぱり今回も、下山中ここで足腰がバカになった。



緩斜面を登り続けると、胸突き八丁へ到着。ここから急登が始まる。けど膝を壊してからというもの、急登ってのは下山の衝撃に比べれば大した敵では無い。息が切れるのはペース配分でなんとかなるけど、膝が痛いのはどんなペースでも痛い。で、この道を行くのは2回目ってこともあり、どれくらい歩けば良いのかも何となく分かっているので、さくさく登っていく。



胸突き八丁の登り。ここに至るまでの緩斜面は滑りやすい土で、道が細くて所々崩れ、笹も生い茂って歩きにくいから、こっちは岩ゴテゴテで急だけど、ゆっくり行けばこっちの方が登りやすいのかもしれない。



長いな〜まだかな〜とうんざりする頃、胸突きの頭へ到達。ここからちょっと歩くと稜線に出るので、ようやく展望が開ける。季節は秋に入り、色んな草木に赤い実がついて、秋の花々が咲いている。やっぱり晴れているときの登山は色々見ることができて楽しい。



遠くに見えるのが行者岩。



あちこちでハイマツの間から、コケモモが実を結んでいる。山のお猿やウサギが食べるんでしょうか。どっかのブログで、まさにこの場所で糞ジジイがごっそりこの実を摘んで食っちまったのを写真付きで載せてたから通報してやろうかと思った。どこに通報するのか知らんけど。少なくとも登山オタクの糞ジジイが食っていいものではない。



西駒山荘を通過すると、前回「これか?まあこれだろう」と無理矢理納得してお茶を濁した、偽聖職の碑が現れる。これ自体にもなんか由来がありそうなもんだけど、周囲にはそれっぽい説明無し。



偽碑を通過して、ほんの少し。前回ここまで近づいていたのかと愕然とするほど近く。ついに・・・
キターー!!
こっちが本物。ついにここまで来ることができた。明るい秋の日差しを照り返し、あたり一面白く輝いている。噂通り、すっかり風化が進んでいる。横には近年追加され、景観論争に発展したというミニ碑も。確かにこのミニ碑は要らんでしょう。後ろに白い看板があるんだから、そっちを書き換えりゃ良いもんだと思うけど。この看板も風化が進んで殆ど読めません。



碑の場所から、碑を背にして山頂方面を眺めると、晴れ渡って素晴らしい展望。これから進む馬ノ背の尾根道(赤線)もくっきり青空に伸びている。遥か遠くに見える山頂。もう碑を見るっていう目的は達成したし、明日天気が悪くなることは分かってるし、これ以上行きたくない・・・



けど、相当ガタガタになってる足で下山はもっと無理。仕方なく前進。あんなに良い天気だったのに、山頂へ近づくに従い、どんどん雲の中へ入っていくのです・・・(続く)