新田次郎『強力伝・孤島』

賞を取った小説が必ずしも面白いとは限らない、とはよく言われていることだけど、無冠の100作を読んで1作の佳作を探すよりは、賞を取った10作を読む方が1作の佳作に遭遇する確率が、やっぱり高いと思う。傑作に遭遇するに至るまでの絞り込みを楽しむほど大した読書好きでもないので、駄作を読む時間の無駄を省いてくれる直木賞ってやつを、私はそこそこ信頼している。
今回読んだ短編集の表題作「強力伝」は直木賞受賞作品。前回読んだ新田次郎の短編集はびっくりするほどつまらなかっただけに、この短編集は新田らしくて良かったな〜としみじみ思う。ごっつい文体と山男のもっさい描写が実にマッチしていて、どの短編も面白かった。ということでまあ、賞を取るのはやっぱり理由があるんだと思ったわけ。

ところで次は『剱岳<点の記>』を読もうと思ってるんですが、本屋で2冊並んでいたので上下巻と思い込み、同じ本を2冊買っちゃいました(<>←こういうカッコをタイトルにつけるのは是非やめていただきたい。紛らわしい!)。読みたい人がいたらあげるので、連絡ください。
※11/17、貰われていきました



寝たきりで起き上がることもできず、もう駄目かと思われたねずさんは再び元気を取り戻して、ご飯をバリバリ食って歩き回っています。なんなんだろう。嬉しいんだけど、先のことを考えると気が重くなります。