さよならねずちゃん

大好きだったよとか、
今までありがとうとか、
死ぬ瞬間には抱きしめてたくさん感謝しながら看取ろうと、
ずっと計画してきた。


知らない人ばかりの、病院の冷たい治療台で死なせてしまった。
最期に目に映るものは私であってほしかった。
そうすればどれだけ安らかだっただろう。
私のいない場所で、家族もいない場所で、
他の動物のにおいや鳴き声だらけの怖い場所で、
うつろな目で最後に見たものは恐怖だっただろうか。


寒い寒い日に外に出して、あっという間に死んでしまった。
家から出すまでは、瀕死ながらも穏やかだったのに。
どうしてそんなバカなことをしたのか。
3か月間看病して来たものを、全て台無しにしてしまった。


今あるものは激しい後悔だけ。
身体が粉々になりそうな罪悪感だけ。
伝えようと思っていた感謝の言葉も出てこない。


ただひたすら謝りたい。
許してはくれないだろう。猫は恨みっぽいから。
そういう性格も含めて大好きだった。


ごめんね
ねずほんと


ごめんね