心の旅路・東京編(上)


3月5日〜6日と、あてもなく東京に行った。当初は時間を区切って普段会えないような知人とできるだけ多く会おうか、滅多に行くことのない東京の名所をいよいよもって訪ね歩こうか、などとも考えたけど、なんか考えるのも面倒でやめてしまった。けど結果、そういう場当たり的に行動したことでだいぶ面白かった。この旅に意味も目標もなかったのに、成し遂げた達成感すらある。


1日目

10年来の知人なのに会うのは今回で2回目というKYOUSUKEさんと17:30に吉祥寺で待ち合わせ。それ以外に用事もないので、朝からだらだら家の掃除をしたり洗濯したり子供をパパに預ける手配をしたり漫然と過ごす。十分な時間の余裕をもって出発したけど、「新宿から徒歩6分で便利でちたぉ♪」的レビューにつられて予約したホテルは新宿からなら京王線に乗り換え2駅分、最低でも徒歩30分以上はかかり、もたもた歩いていたので結局随分慌てる羽目に。


バックパッカーの聖地、サクラホテル。大急ぎでチェックインだけ済ませ、吉祥寺へ走る。

同じ線なのに途中で降りて、ホームに停まってる別の電車に乗り換えたり、同じホームでありながら行き先が違うという分かりにくさを、私以外の全員が現実として受け入れている姿に、田舎もんの私は大いに驚愕する。そしてそういうことをしながらようやく吉祥寺に到着。そもそも一度しか会ったことのないKYOUSUKEさんの印象は、薄ぼんやりとした記憶のかなたの彼と特に違いもなく、安心して変わってないなーと思う。アジアンな雑貨屋さんを巡り、吉祥寺のなんかああいうムードを満喫しながら、先程までの慌ただしさを忘れ徐々に東京へ染み込んでいく。


店の前を通るだけで匂いがこびりつきそうな、味わい深い昭和臭漂ういせや


タイ料理店にて、涙にむせびながら理想の舞台を語るKYOUSUKEさん

以前彼のブログにも書いてあったとおり、彼は深々とはタイ料理を好きじゃ無い様子。でも舞台に取り入れるために研究し、苦手なものをも取り入れようとする姿勢は素晴らしい。私はタイ料理が大好きなので美味しくいただく。疲れていたのでどうも食が進まず、せっかくの本格メニュー群のなかで見たこともないようなものをトライすることができなかったのは後悔。舞台のお稽古で忙しい合間を縫って会ってくださってどうもありがとう。めちゃんこ楽しかったです。

※KYOUSUKEさんがお届けするパフォーマンスが3月26日(土)19時より行われます。
詳しくは彼のブログで。



明日も早朝から仕事というKYOUSUKEさんと22:30頃別れ、次の目的地ニューマタンゴへ。少々酔った田舎もんが京王新線幡ヶ谷駅に到着するのはちょっと難儀で、ようやく幡ヶ谷に着いても、お店まで徒歩6分のはずが渋谷の裏街道を40分近く彷徨う。


実に18年ぶりの再会、マスターの小林先輩

小林先輩は高校時代の先輩で、当時から話好きな人だったけど、高校時代ゆえもっときつかった。今でもそうだなんて妄想は当然持っていないので、どのように変わったかをちょっと楽しみにしていた。お客さんが引けていた店内は私だけで、話をするにはちょうどよいタイミング。一瞬の久しぶり感のあとは、高校時代に戻ったようにひたすら会話を楽しむ。普段は飲まない洋酒を数杯頂きながら、既に少し酔っていた私は疲労と共に酩酊を深めていく。先輩の口調は、長い接客業の経験からかかつての先輩のものよりものすごい愛っていうか穏やかになってて、もう、この状況にいるっていう多幸感に身を任せて、このあと自分に訪れるひどい反動を薄々感じながら、数時間後現れた同席のお客様、佐藤君をも巻き込んで、自分の中でから騒ぎをする。なんかすごい楽しい夜はこうして更けていった。(下に続く)