白草山 一回目


天気の良いGW後半。前日も散々飲んだ朝、とりあえず山でも登ろうぜってんでヤマケイの分県版をおもむろに開き、なんとなく目についた岐阜・長野県境に位置する白草山へ行くことにする。この時期、高山はまだ雪が深いし、標高1641mでお手頃ということ以外に別段思い入れもなく、見切り発射。
のんびりと午前10時ごろ登山道入口に到着。駐車場はなく路駐、車は他に10台ほど。しばらく林道を歩いていくと、いよいよ登山道に入る。



さほどきつくもない、よく歩かれた登山道。しかしここにきてじわじわ、あいつが効いてくる。そう、前日の酒。だからあれほど山の前日には飲んじゃダメだって……まあ朝登山に行こうと閃いたのでしょうがないか。とにかく異常にフラフラして気分が悪い。いつものように歩調に合わせ、帰りたい、帰りたい、帰りたい、帰りたい……とリズムを取る。



ボンヤリしながらも、時折木々の間を通り抜ける風は冷たく澄んで心地良い。そうこうしているうちに12:00頃、頂上付近へ出る。山頂へ続くこの道を見て!高原みたい。疲れが一瞬でぶっとぶ。



同じ場所から後方を見ると、どーんとひときわ大きい山がそびえる。



ほどなく山頂。ちょうど昼食を終えた人たちが一斉に下山を開始したので、一組のおじさんチームがいるだけだった。親切なおじさんは後ろのでっかい山が御嶽であること、先週は山頂に座れないくらい人が溢れていたこと、そしてここもついさっきまで混雑していたこと、あっちは笠ヶ岳、あっちは乗鞍、あれは白山……と360度広がる大パノラマの解説を、私の昼食を邪魔しながら教えてくれる。麺だったので伸びるの嫌だし、マシンガントークも途切れそうにないので、途中から失礼して食いながら話を伺う。しかし麺なので小池さん状態で話を聞くことになる。それでも話を止めてはくれなかった。でも親切なおじさんのおかげで楽しめた。ただ食い終わってからにしてほしかった。



私らが食い終わるのを待っていたように、おじさんチームは下りていく。すると後続の登山者がちょうど山頂手前でおじさんにつかまる。後続登山者チームはおじさんチームに阻まれ、山頂目前で足踏み。さっきまで山頂は混雑してたよ、でもってあっちは御嶽、あっちは笠ヶ岳、あっちは乗鞍……が始まる。でも良いの、話してる内容は面白いし役立つことばっかりだから。ただタイミングが絶妙に悪いだけで。おじさんどうもありがとう。

分県版をテキトーに開いて行っただけの白草山は大ヒットだった。展望の良さも抜群。二日酔いのダラダラ歩きでも往復4時間あればお釣りがくる手軽さ。下呂までが遠いけど、天気なら是非また訪れたい白草山。良かった。