乗鞍岳(十四座目/百)


今年の夏は慌ただしかった。気付くと、九月も終わろうとしていた。高い山に行くならもう時間がない。かといって高い山を登る気力も体力もない。そうだ、だったら乗鞍に行こうじゃありませんか。


【行き方】
今回は乗鞍スカイラインをバスで向かうルートを採る。
東海北陸道を富山方面へ、飛騨清美から中部縦貫道を高山方面に進み、終点高山出口で下りる。高山市街地方面へと進み、国道41号を左折、下切町交差点を右折。そこらへんから先は案内に従って進めば良い。乗鞍バスターミナルの看板も、数キロおきに立ててあるから迷うことはない。朴の木平スキー場の駐車場がターミナルになっているので、ナビるときはスキー場名で検索。バス時刻表はこっち


土曜日が運動会だったので、月曜日のこの日は代休。午前三時に寝てる娘を車へ押し込み出発。天気もまずまず、平日のこの時期ならそれほど混雑もしていないでしょう。


5:55のバスに乗り、三十分余りで畳平へ到着。お客さんは5,6人程度。やっぱり良かった、平日で……
不消ヶ池方面の道からスタート。



下には雲海、上には高層に雲。
雲に挟まれ、照りつける日差しもなく、風も穏やかで、静かな山歩き。



眼下にはさっき通った乗鞍スカイラインが。葉が少し色づいてきている。短い秋が、もうそこまで訪れている。



コロナ観測所の向こうに、槍穂連峰がくっきりと。今回は終始、展望が良好だった。



権現池の方へ目を転じると、一層雲海が厚みを増している。



剣ヶ峰への途中、蚕玉岳山頂。何と読むのか分からん。「まゆだまだけ?」とうっかり口にすると、後ろで違う違うと誰かの声。うーむそうか、まゆは蚕の子供ではないか。かいこだま?と後ろの誰かたちも喧々囂々。帰宅後地図で確認、正解は「こだまだけ」でした。



8:30、山頂。小学生を連れているにもかかわらず、歩き始めて二時間かからず三千メートル峰の頂に立ててしまうとは……。



山頂から周囲を見渡す。い〜〜い天気! しかし寒い! 恐ろしいのは、やっぱりここにもスニーカーに斜め掛けバッグの観光客がいるってこと。まあ逆にすごいと思うけど……。



平日ということで高齢者率が相当高く、山頂は続々と元気なじいちゃんばあちゃんで埋められていく。広い山頂でもないので、早々に下山を開始する。急がないとピアノのレッスンに間に合わないし……ってやっぱ稜線は風が強い!! 危うく帽子がぶっとばされるとこだった。



下山もサクサクと。帰りは鶴ヶ池ルートを歩く。山間から、ちょうど槍の穂先がぴょこりと見えた。



畳平でお土産を買ったり、休憩したりでバスを待つ時間も苦にならない。帰りのバスの車窓から外を見ると、濃くなった雲海がどんどん迫ってくる。やがて雲を突き抜け、到着した下界は曇天の空が広がっていた。

しかし畳平は至れり尽くせりで、こりゃ〜乗鞍が登山扱いされないのも分かるわ。無事ピアノの時間にも間に合い、「さんぜんの山」から下山したばかりの娘はその足で教室に向かったのでした。よーやるわ、キャハ。(鬼母)