雨飾山(十五座目/百)


そろそろ紅葉も良い時期だろうし、登山口までは遠いけど山自体は低くて日帰りできる、新潟・長野県境の雨飾山を目指す。しかしまあ、短い紅葉シーズン、三連休の中日、日帰りできるお手軽登山ができ、尚且つ絶好の好天に恵まれたとなれば、その混雑たるや都心の交差点並み。混むだろうなーとは思っていたものの、そんな私の想定は遥かに上回っていた……。


【行き方】
長野道安曇野IC(旧・豊科IC)下車、国道148号線を白馬方面へひたすら北上。途中、可哀想なネコやタヌキたちが何匹も車の犠牲になっていた。山間部を夜間に走るときは、よくよく動物飛び出しに気を付けねばなりません。「小谷温泉口」の信号を右折して県道114号線に入り、あとは行き止まりの雨飾高原キャンプ場を目指して一直線。登山口までの道もよく舗装されていて走りやすい。


深夜1:30頃登山口に到着するも、既に駐車場から車は溢れ、路駐の列が伸びている。予想を上回る混雑っぷりにおののきつつ、その列に連なる。空には零れて落ちてきそうな満天の星々。ただここまでの運転で疲れ切ってしまい、星を見る元気もなく、そのまま車で仮眠を取るも、寒さで何度も目が覚める。ちゃんとした山用の寝袋買わなきゃほんと凍死する……。


未明に寒さで震えながら目覚め、寒いよ〜行きたくないよ〜とのたうちながらダラダラ身支度。6:10、明るくなったことだし行きますか……と車を出ると路駐の列はいよいよ長い。登山客もぞろぞろと一斉に登山口に吸い込まれていく。登山口のすぐ脇には自販機(ドラゴンボールコーラあり)、トイレは水洗! ああヤバい、このタイプの山か……。



序盤の木道歩きを経て、ブナ林の中を爽やかに歩く……と行きたいところだが、とにかく人が多い。ちょっとスピードを上げれば前の大集団に追い付き、やりすごそうとスピードを下げれば後ろから大集団が追い付く。もう自分のペースで歩こうなんて考えるのはやめ、人の流れに身を任せて歩き、7:35荒菅沢。葉はまだ色づき始めというところか。



荒菅沢から先は急登が続く。アサヒビールさん設置のハシゴもいくつかあり。木曽駒の登山道でも見たけど、アサヒビールは登山道整備に尽力してくれているご様子。いつもありがとう!
で、急登を抜けて8:50笹平。視界が開け、風も爽やか、とっても良い天気。



ピークに至る最後の登り。このあたりから、ぼちぼち下山者とすれ違い始める。道が狭いのでしばしば渋滞が発生。



9:20登頂。あらご覧になって、日本海よ!(指の方向が違う)
さして広くはない山頂は、あっという間に人で満たされていく。勿論この場所での写真も順番待ち。



人が増えないうちにと早々に下山を開始するも、丁度登山者とのすれ違いピークになってしまった。狭いハシゴ部分を先頭に大渋滞が発生。無理な追い越しをかけようと、行列の真上でボロボロ落石を起こす輩も現れる始末で危険極まりない。進みたいのはみんな一緒なんだから我慢しろよ……。



登山よりも時間をかけて下山し、12:30ようやく木道へ。滑りやすくて、ただでさえ疲れる下山の道だったけど、それ以上に気苦労が多かった。。。


常々思ってるんだけど、本当に鈴ってうるさい。そもそも鈴というのは、熊に自分の存在をアピールするための道具だと思うので、人の少ない山域に一人で入るときとか、危険回避のために付けるものだと思うわけ。しかし、今回みたいな全く人の途切れることの無い登山道で、何十人もが鈴を付けて、至る所からリンリン鳴り響いてるなんて迷惑以外の何ものでもないからね? 人のぞろぞろ歩いている山で鈴付けてる人は、他の登山者にいらぬプレッシャーを掛けていることに気付かない無神経な人か、あるいは熊ではなく人間に自分の存在を知らせるため、あえてプレッシャーを掛けている無神経な人だと私は認識している。



まあそんな不満は感じつつも、木道の散策路は清らかな水が流れ、イワナが泳ぎ、さながらグリーンゲイブルズのように美しい。小川のさらさらとせせらぐ音に耳を傾けながら、徐々に近づく鈴の音うるさーい!



色づき始めたブナ林が光に照らされて綺麗。来週以降は一層見ごろを迎えることだろう。
道の譲り合いに、鈴。よく論争が起こる問題ではある。人の多い山は、色々あるわな……。


しかし下山して一秒でドラゴンボールコーラを買い、冷え冷えのコーラを飲めるのも、まあこういう山の恩恵でもあるわけだ。でもコカコーラならもっと言うことなかったけど。


下山後の温泉は道の駅・小谷にある「深山の湯」、道の駅に併設の施設ながら源泉かけ流しの良いお湯だった! しかも観光客が多く、駐車場は混雑しているものの、登山者は割合的に少ない様子で、温泉の中は意外に空いている。入浴600円、施設で食事をした人はレシートを見せると300円で入れるんだってさ。