京都へ
父の納骨のため、墓地のある京都へ行ってきた。
天気もよく、穏やかな日だった。
鳥居の横には立派な紅葉が色づいている。
早く着きすぎてしまったので、墓所の神社を通り過ぎた先にあるお寺を探検。
綺麗な銀杏の絨毯。
葬儀は家族のみで済ませたが、死を連絡するよう書き遺していた父の三人の友人たちが参列してくれた。父は寂しい人生を送り、寂しい最期だったが、死んでも尚案じて駆けつけてくれる古い友人のいた人生は、きっと悪くないものだったと信じたい。
紅葉の葉も落ち積もり始め、京都は冬へと向かう。
墓地のすぐ横には二年坂がある。この日も観光客たちで溢れ返っていた。そんな喧噪のすぐ隣とは信じられないほど閑静な京都の地に、この日父は静かに骨を埋めた。
苦渋に満ちた哀しい人生から、あなたはようやく解放されました。
どうか安らかに。