火打山(三十座目/百)
数年前に紅葉を見ようと登った妙高山では、あいにくシーズンを少し逃してしまったものの、それはそれなりに綺麗で楽しめた。妙高・火打は紅葉の綺麗な山としても名高い。今年の9月はほとんど晴れた日のない異常気象だったため紅葉もかなり遅れているらしいと聞き、例年なら遅すぎる時期なものの思い切って行ってみることにした。【行き方】今回は火打山を日帰りする場合に便利な笹ヶ峰登山口を採る。上信越自動車道信濃町ICから笹ヶ峰キャンプ場まで40分ほど。道中、晴れていれば妙高を見上げるスキー場からの展望は圧倒されるほど素晴らしい。登山口すぐ横の駐車場は三十台ほどだが、ほど近いキャンプ場には百台以上規模の大駐車場とトイレがある。夜は黒姫野尻湖PAでポケモンしつつ車中泊、登山口の真横に車を付けたのはまだ星の瞬く4時ごろ。再び仮眠し直し、むしろこっちのほうがぐっすり寝てしまい、まだ夜も明けやらぬ5時過ぎに慌てて準備開始。私が車の中でモゾモゾゴソゴソしていると、すごい勢いでコンパクトカーが横付けされる。停まった途端に全ドアが開き、四人の中高年と見られる男女がストリートギャングのごとく飛び出すや否や、身支度を手早く整えヘッドランプを装着し出発していく。一体どこに四人分のザックが収まるスペースがあったんだろう、っていうかどんだけ支度が素早いんだ。その後姿を見かけることはなかったので、妙高の方へ行ったのかもしれない。5:40、登山口を出発する頃には、ヘッドランプは必要ないほど周囲は明るくなってきていた。すぐに目に飛び込む紅葉。うお〜とテンションアップでカメラを構え、序盤からいきなり先に進まない。6:05、1キロ地点。たぶん9枚あるんだろうけど、そのときどきで励みになったりうんざりしたりする看板。カメラでパシャパシャしていると後続のおじさんに抜かされていく。ストリートギャングに続いて二番手で出発したはずだけど、この後も何人かに抜かされていき、景色に見とれて終始ペースを上げることができなかった。帰りのことを考えるともう少しスピードアップしたかったんだけど。6:35、2キロ地点。6:40、黒沢。しっかりした橋だけど、水が恐いから恐い。このザーって音がなんとも……背中スースーしながら横を向いて写真撮ったけど恐かった。そうこうしているうちに日も登り、月が消えていく。7:00、十二曲がり。ここにも1曲がりごとに看板があるんだけど、細かすぎてあんまり見てなかった。てことで7:20、十二曲がり終了 笑十二曲がり終了あたりが、3キロ地点。十二曲がりあたりから、展望が開け北ア北部を望むことができる。劔どーーん!!こんな景色が見られるなんて、ああ来てよかった。この日は昼から崩れる予報だったので、本当はこの山域辞めようかと思ってたの。天の神様ありがとう。このあとは序盤の緩やかな感じが一旦なくなり、道は急な坂に変わる。8:15、富士見平分岐。あっちに行けば妙高、こっちに行けば火打。ここから先は笹の茂る緩やかな登り。風がやや強く、笹がざわざわと鳴る。それにしてもこの青空!目指す火打山が見えてくる。しかし残念ながら雲の中。最後までこの雲は取れなかった。8:35、5キロ地点。4キロは見落としたらしい。9:00、高谷池ヒュッテ。あれなんでこんな変な写真しかないんだろう。。。登山口でトイレが見つからず、おっとこのペースでは膀胱が危ないよ、って感じだったので、小屋の人にお手洗い交渉。無料で簡易トイレをお借りできた。うぉぉ……と色々こびりついてるトイレだったけど贅沢は言いません。ありがとうございました。ヒュッテから先は高谷池を見ながらの木道に変わる。黒沢池への分岐すぐ横に6キロ地点。木道を進むと眼前に火打山が、あ〜でも残念な雲。この辺りは天狗の庭という高地湿原で、なんとも奇妙な景観。終わりを迎えた草紅葉が強い風にざわざわと大騒ぎしている。寒い!ほんの刹那、山頂が見えたり。コンテンポラリーアートもかくあらんという不思議な造形の池を眺めたりで、どれだけ見ても飽きることがない。9:30、7キロ地点。この辺りはまだ活発に活動している火山だということを思い出させる、荒々しく崩れた黄色い山肌。そういえば火打から先は入山規制がかかっていた。振り返ると、モコモコとした妙高の頂。天狗の庭も随分下になってきた。10:10、8キロ地点。上部は本当に楽しくて、道もなだらかだし、あっという間に進んでいく。あとは木の階段を山頂に向けて進むばかり。ラストスパート!10:45、無事登頂。先着のおじさんに撮っていただいた。横浜から電車で来た後期高齢者だと仰っていたが、大層お元気。山頂は展望ゼロだし、寒いし、ちょっとだけご飯を食べてすぐに下山開始。雲から抜ければそこは青空。現代の庭建築もびっくりのこの造形美。12:10、高谷池ヒュッテが見えてきた。いい場所だね。あとはひたすら下りる下りる。でも午後になり光が強くなると、紅葉はより一層鮮やかで、さっきも撮ったのにまだしつこく写真を撮りながらの下山。スピードは上がらない。13:50、いつの間にか黒沢まで下りてきた。結構歩行距離は長いのだけど、傾斜が緩いのと紅葉とで、疲れを感じない。最後の木道は地味に疲労が溜まるものの、名残惜しい気持ちで最後の道のりを歩く。14:30、下山。楽しかった!下山後にバッジを買おうとキャンプ場の管理等に行くもクローズ。なんか人の気配もしない。明星荘という民宿?も準備中。平日だからかな。結局温泉に向かう途中の妙高高原ビジターセンターで購入。観光客の中に放り出されるこの感じ。入った温泉は「ランドマーク妙高高原」とかいう、なんか変なところ。時間制で1時間750円+税、はっきり言ってめちゃくちゃ割高。なんか特殊システムがあるみたい。ご飯食べたりお土産買ったりする人にはメリットがあるのかもしれんが、風呂だけならなんのお得感もなし。スーパー銭湯みたいだった。最後が残念!