平日午後の公園

うちの近所にちょっと大きい公園がある。最近どうも欲求不満気味な子供のため、思う存分転がしてやろうと出かけてきた。しかし、平日午後の公園というものがこうも不気味なものとは思わなかった。
まず目に付いたのが例の、子連れママ達。1歳半ばの小さい子供は仲間を見つけると大喜びで近寄っていくが、どうしても子供だけを媒体とした薄っぺらい関係の仲間入りなどしたくない。子供だけを野放しにしてどうしたもんかと思案していると、「連」に参加していない私と関係を持ちたくないのは向こうも同じようで、自分の子供を抱えてさっさとグループでまとまってしまい、私の子供は取り残されていた。慣れよわが子。それが社会ってもんだ。しかし公園デビューがどうたら・・・だの、ママ同士の付き合いがうんたら・・・だの、そんな世界が本当にあるのね。


声を掛けられなかったことに心底ホッとして、子と二人ふらつく。ガラス張りになった資料館みたいなところは、ジイサン達が大挙して群れており、ジジイ連以外が入室することは固く憚られる雰囲気。ガラス張りの向こうから、近寄っただけなのにずっとこちらを見ている。子がガラスに興味を持って離れんので10分ほどそのあたりにいたが、近寄るなとばかりに終始見られていた。あんなのが居座っていてはジジイ以外は誰も入れんだろう。入りたくも無いが。


芝生をむしったりして遊んでいると、今度は常人ならざる空気を醸す若者たちが5,6人、肩を斜めに傾けたり、頭を左右に振り回したり、手をリスのように胸の前で垂らしたりしながらフラフラ、何をするでもなくただ歩いていく。15分ほどそうしたら車椅子マークのついたマイクロバスに収容されて帰っていったが、まるで刑務所の運動時間。
その次はなぜとは言えないが、どうしても心を許せない感じのおばさんが話しかけてきた。服装、喋り方に声のトーン、貼り付いたような笑顔が布教活動丸出しという感じなので警戒していると、ドングリを二つくれた。私があまりに喋らないのですぐに立ち去っていったが、子はドングリで大喜びだった。ひとしきりドングリで遊んだり猛ダッシュで走り去って子を泣かせたりして遊ぶ。


帰ろうと駐車場に戻ると、車の中で寝てるオッサンがずらり。3時過ぎでこの状況って何だ?正当な休憩だとしても自分の父親とか旦那とかがこんなとこで寝てるのを見たら、家族は引くだろうなとプチ家庭崩壊を妄想しながら帰路に着く。平日の公園なんてガランとしてると思ったらとんでもない誤解であった。なんかもう行きたくないな…


さて、劇団の男性が一人、やはり来月から教室に通うことになったらしい。初心者にしてアロンジェの指先と伏目がちな瞳で世界にはまり込まんとしていたので、こうなるだろうという私の予想的中。クラスに(例えどんなアレな感じでも)男性がいるといないでは、オバサンらの緊張感が高まり空気が違うのです。とオバサン丸出しの私。