すいか

昨日の午前中、隣の家に一人暮らしをしているおばあさん(82)が突如我家に訪れた。この人はよく突如現れては、いきなり謎の高そうな化粧水をくれたり、子供にと言ってお菓子をくれたり、妙に込み入った身上を話し出したりして、昔から子供と老人への接し方を知らない私は、どういう風に話をすれば良いのか分からないので実はいつも困っている。今日は一体何事か…と身構えると、スイカを一玉買ったのだが重いので、半分あげるから切ってほしいと頼まれた。いや、半分頂かなくても切るくらいやりますよと何度か断っても、どうしても半分あげると言って聞かないので、なんか近所の人から食べ物を貰うってすごい昭和だなとノスタルジーに浸りながら半分貰った。しかしこういうのって、実は向こうも断固として断られることを前提として勧めているだけなんだろうか?思いのほか私がアッサリ「じゃあ頂きます」なんて言ったから、最近の若いもんはこれだから…とか思っているんだろうか?なんて考え出すとまた気が滅入る。いつも何かを貰うたびに「お返しなんていいのよ、ただ年寄り一人だからよろしくお願いしますね」と言われるだけなので、お言葉に甘えてお返しなんてしたことは無かった。何をよろしく頼まれてるのかも、漠然すぎてよく分からないので結局のところ何もせず、なんかいつも物をもらっているだけという感じになってしまっている。私は年寄りの多いこの近所では新参者で、しかも遠からず引っ越すつもりなので、何となく近所から孤立してるっぽいこのおばあさんにはお隣の縁ってことで、ここに住んでる間はもう少し親切にしようかとは思っている。でも何をやればいいのかは皆目見当が付かない。とりあえずスイカのお返しをなんか買おう。何が良いんだろう…。スイカはやめたほうが良いだろうけど・・・。