巨大なもの

Odiel2006-07-18


南セントレア市は誕生しなかったが、セントレアは誕生しているので飛行機を見に行ってきた。私が到着する少し前まで暴風雨が吹き荒れ、雷が空に網目模様を描き続けていたから、飛行機は無理か…と諦めていたものの、滑走路を眺望するデッキに登ったころには雲の切れ間から光も差し込み、鉛のような海を背景に、これまで足止めされていた飛行機が次々に空へ飛び立とうとしていた。飛行機が初めてというわけでもないのだけど、それにしてもこの巨大さには畏怖すら覚える。そもそもこの飛行場も埋立地にできており、人類が作り出した巨大な土地を前に、ただその大きさだけでプリミティブな恐怖が呼び起こされる。人はこの土地を造成したことを偉業と言い、それをもたらしたものを叡智と呼び、それらの力を過信して人に不可能は無いのだと勘違いするわけだ・・・とにわかに宮崎駿みたいな気分になるが、ただ轟音と共に飛び立つ巨大な鉄の塊は、細かい思考を一旦全て停止させて、純粋にカッコイイ・・・とぼんやりさせるだけの威圧感を放っていた。