御嶽山 一回目


山に登りたい。山が私を呼んでいる・・・そんな電波を勝手に受信して半年ほど経っただろうか。今年の夏、私はアルピニストとして華麗にデビューする計画を粛々と進めていた。初めての登山として勧められたのは木曽駒ケ岳と御岳。どちらも相当高いところまでロープウェイで行くことができ、かつ頂上は3000メートルの高山だから、お気軽に自分の身体が高山に適応できるかどうかが分かるってな話だった。しかしそこは高山、周到な準備の下に目標を木曽駒に絞り、新田次郎を読み、完璧なイメージの元で調整した、、、結果、断念した。断腸の思いで断念した。1週間続いた熱が、前日になっても下がらなかったのだ。12時間前まで悩んでいたが、山なめんなよという天の声が聞こえたような聞こえないような気がしたので辞めた。欲望のままに動く私がこんな風に辞めたことは奇跡に近い。多分行ったら死んでたヨマジデ!で、代わりにプラっと御岳に行って来た。7合目でロープウェイを降りてちょっとその辺をブラブラするだけのつもりが、何故だか8合目まで1時間、行程1600メートルの道のりを登ってしまった。たかが1合と侮るなかれ、熱で激しく消耗した身体には大変な労力で、何度も気持ちがくじけた。登山とは困難に打ち克ち、やり遂げることの大切さを云々と新田次郎が言っとった。それを実に身をもって体験した。8合目は大して高くもなく、暑くて人がいっぱいいたけど、私の初登山デビューを飾るには絶好の、体調絶不調だった。良く頑張った私!来週はまた木曽駒にアタックかけるよん。