御嶽山(二座目/百) 二回目


生まれも育ちも名古屋の私ではあるが、割と短時間で行く事ができる日本アルプスの山々は意外と馴染みのある場所でもある。子供の頃からスキーや山登り(というかハイキング)に足しげく通った長野への愛着は強い。その都度、道中でよく見かける御嶽という言葉。子供の頃なんて自分が登っているものが何県の何山かなんて全然知らなかった。今でも山々を見渡して、どれが御嶽?って言われても即答できるほど山通ではない。ただ、やたらと御嶽という文字は目にしていた。御嶽は長野に入ればどこからでも目にできるんではないかというほどに裾野の広い山である。その御嶽に初めて登る前日、私は豪雨の中、バーベキューをしていた…。

何かをひらめいたバレエの先生の提案で、少雨決行と始められたバーベキューは開始数分で本格的な雨に変わった。切った野菜や肉の山を前に今更止められないと、教室の狭い軒先で肉を焼き、玄関で肩を寄せ合って食べる。飲み物や皿を置く場所もない。食べ終わったらまた、人の渋滞が著しい玄関を出て、背中をずぶぬれにさせながら、焼いた肉を皿に盛って、教室に入って食べる…。こんな拷問、終わらせたい。。。今日は朝からレッスンだった。バーベキューまでの時間は短かった。家の片付けもしてない。明日は朝3:30に起きなきゃいけない。…疲れた…眠い…帰宅したのは23:30。散々飲んで、生焼けの肉を食べて、倒れこむようにシャワーを浴び、泥の様に寝て、奇跡的に予定通り起き、30分予定を過ぎて出かけ、登山道に着いた朝9:30には疲労もピークにきていた。二日酔いの体調で臨む、いくら登山道が整ってはいても3000メートルの山、御嶽。こんな無茶をするもんじゃない。遠のく意識の中で、これは神罰が下ったのだ、山なめんなよと山神が怒っているのだ、、、などと思ったか思わないか、気づいたら山頂って感じで道程はあんまり覚えていない。ただ確実にいえることは、もう決して前日には飲まない。山に誓う私でした。