将棋頭山


去る8月29日、『聖職の碑』に挑む2度目のチャレンジ。天気は薄曇、時々雨。一度目の挑戦は初の本格登山で、ロープウェーから木曽駒を通ってチャレンジしたものの、荒天であと一歩のところを断念。あのときほどの激しい気候ではなかったものの、あいにくの天気だった。今回はルートを変え、桂小場登山口からスタート。今回もネットで大いに山行記録を検索し、読ませていただき、活用させていただいた。こうした山を趣味としていて、多くの山行を成し遂げ、かつWEBにアップしてくれている人達がいることで、私みたいなシロートが容易に情報を手にすることができる。本当にありがたいことだ。がしかし、忘れてはいけないのはその人達は経験があり、かつ山のブログやホムペを立ち上げてる真の山好きなわけで、私なんかとは全く趣を異にするのであり、情報を真に受けてはならんと今回こそは切実に感じた。いえ、読み方がいけないのであって、情報提供している彼らには、非は無いんですよそりゃ、ええ。
私は別に山行記録みたいな面倒なものをつける気はないのではしょっていきますが、まず多くのサイトで記載されていた「胸突き八丁は胸を突くというほど急登ではない」の記載。確かにこの山のその場所が他の山と比較して特別に急登というわけではないでしょう。まず言っておきたいのは山に楽な登山なんてないってことで、他の山と比較して急な斜面じゃないというわけではなく、他の山と同様、ここも急登であると声を大にして言っておきます。まあ大していないでしょうが、ここを山行の参考にして見に来た方にはそこんとこを強調したい。「登りやすい古くからある伝統ある登山道(ガイドブックなど)」の桂小場ルートは決して登りやすい=初心者向などという意味じゃなく、登り始めは延々と緩斜面が続き、下りなんて特に、散々下って下ってへとへとになってのこのダラダラ下りは膝殺しともいえる殺人坂だし、道幅は人一人がようやく通れる幅だったり、崩れた場所をぬかるんで不安定な巻き道で迂回したり、熊笹が生い茂る絶壁が足の数センチ横にはあるわけです。雨が降ってきたり、虫が襲ってきたり、急斜面と暑さでくらくらしつつ稜線に出ると、にわかに風が出て視界が開けます。



あ〜こういうのがあるから、一瞬テンション上がって山登りを続けてしまっているのだろうけど…。稜線に出たからこのまま一気に聖職の碑か!と思いきや、またも樹林帯の夏道を巻かねばならないので、稜線で気分が盛り上がっただけに、落胆が大きい。西駒山荘に着くと回りは一面雲の中。12時を回ろうかというところだったので、時間の猶予はほとんどない。休憩もそこそこに碑へと向かう。情報によると、西駒山荘から碑まではすぐだということだったが、あまりにもすぐ碑っぽいものが現れる。
遭難記念碑・・・と・・・書いてあるはずなんだが・・・。
そこにあったのはたしかにどでかい石だけど、書いてあるものは義とか・・・霊とか・・・かすれすぎてほとんど読めない。でもこんなに碑と間違いやすいものがあるなら山行記録にみなさん書いているはずだ!なにしろ途中のトイレや泉は写真アップしてるくらいなのに、こんな大きな人工物を、そろいもそろって記載スルーするはずが無い!不吉な予感にさいなまれつつ、その冴えない巨岩を「聖職の碑」だと信じることにした。するとそのすぐ下のハイマツからなんと野うさぎが!茶色い!足でっかい!ていうか足速っ!などと思うや、一瞬で雲の中ににじんで消えた。視界は10メートル無いくらい。これが聖職の碑じゃないとしても、野うさぎちゃんが見れたから良いの。ほんとよ。でも拭いきれない不安から、なんかこの山行の記念を残さねば・・・



と見上げる山頂はすぐ近くの将棋頭山、遠く見えたけどここはあっという間に登頂。しかしこの通りの視界の悪さで、見下ろす周囲は白い雲の壁。去年を彷彿とさせます。



ところが帰りはそんな稜線が一瞬にして晴れ渡り、来た時の夏道ではなく稜線沿いに冬道(不明瞭)で帰ることを選択。この選択が大間違いで、途中で霧が戻ったら私は戻らぬ人となったことでしょう。不明瞭っていうか道無いし。。。帰りはひたすら無言。休憩したら膝がおかしくなりそうで、疼痛に耐えひたすら足を動かし続け、やっとの思いで下山。この下りは本当につらかった・・・。

さて、家に帰ってきてからヤホオで検索、
やっぱりあれは聖職の碑ではなかった。
将棋頭行っといて良かったよ・・・。またいつか行くのかしら?もう桂小場からは行きたくない。