恵那山(五座目/百)


山頂からの展望がないという話の恵那山。うちからは割に近いにも関わらず、「面白くなさそう」という理由でずっと避けてきた恵那山。しかし私も、もうええおばちゃんである。特別に深田百名山を目指しているわけではないが、もっと歳取ってから「やっぱ百名山やろうぜ」と思っても、バレエで腰も膝も股関節も割と深刻な故障を抱えている私には恐らく無理だろう。まあ夏山シーズン前哨戦として登っとくか、と出かけてみた。始めに言っておくと、とにかく全行程虫に悩まされたので私の2011ニューギアを是非お勧めしておく。これほんと使えるから。夏の恵那山は必携ですわよ奥様。



7:30、神坂峠ルートの駐車場。6,7台ほど停められそう。相変わらず遅出の私らが最後っぽく、既に駐車場は満杯。無理矢理ねじこむ。



↑ですって。まあ縦走の需要がどれだけあるかは分からんが。今年の台風で工事期間がまた更に伸びたかもしれんね。



草が鬱蒼とする登山口。もうブヨがすごくて延々たかられはじめる。さっさと通過。



草の茂る登山道。ブヨが嫌!なんとなく晴れてて、晴れていれば道中展望が望めるという。見えるかも?と期待を抱き進む。



9:00、木に囲まれた大伴山山頂を通過。まだお天気だった。



おかしくなりはじめる。



ああ〜もうだめね。



もうこの看板のおどろおどろしさ、ガスってるにしても天下一品だった。ちょっと勘弁してほしい。



また頭の中が「帰りたい」のリズムで一色になる。展望もなく、虫に取り囲まれた道はとにかく長い。



まじで下りようかな、なんて思い始めたこのあたりでいきなり倒れてる人発見。私らで第3発見者くらい。先着の人が救助を要請してるが、携帯がブチブチ切れる。ソフトバンクの私ら夫婦は役に立たず、ぼーっと見ている。そうこうしているうちに倒れてたおっちゃんは意識を取り戻すも、まだ立ち上がれない。跨いで追い抜くわけにもいかず、「先に行ってください」と第一発見者に言われるまでぼんやり過ごす。ただ虫がすごい。人がせき止められたこの地点で、ブヨの数MAXになり、全員がブヨに包囲される。この先走っても逃げられず、止まることもできず、追い立てられるように登る。



11:40、山頂から少し下った地点にある小屋。ようやく虫から逃れ昼食を食う。小屋内も少ないながら虫ブンブン。一秒も休まらない。ちなみにブヨって蚊の比じゃなく、破壊力は凄まじいの。しかも腫れ&かゆみは次の日が一番ひどい。
まあそれはさておき単なる義務で進む。別に何の義務もないのだが。この辺でヘリコプターの音が絶え間なく続いていた。さっきの倒れてた人が救助されてるんだろうな、とかぼんやり考える。後で第二発見者くらいの人と再会したとき確認したら、やっぱり救助のヘリだった。第一発見者のおじさんグループは、そのまま下山したみたい。ご苦労様でした。



よし山頂。写真だけ撮る。滞在3秒。



さあ帰ろ帰ろ〜そしてこの下山の長いことと言ったら筆舌に尽くしがたい。ぶったおれてたおっちゃんと、ブヨのものすごさ、記憶はこの二つしかない。ひどくつまらなかった。少なくとも神坂ルートで再チャレンジすることは二度とないと思われる。この日はくるまやの蕎麦も喉を通らなかった。長いし、疲れた。晴れた秋とか、虫のいない時期が絶対良いです。