北海道へ・二日目


小樽へ向けて航海中の船で朝を迎える。用心のために飲んでおいた酔い止めが効いたのか、割合にぐっすり眠れた。この旅行中何度かフェリーに乗ったが、船酔いは杞憂だったため、薬を飲んだのも結局このときだけだった。



晴れ。波も穏やか。



食堂がオープンするのは8:00。まだ30分近く時間があったので、船内をぶらぶらする。人も少なく、のんびり休憩できるところはいくらでもある。



朝食は好きなものをピックアップして、取った分だけ会計の一膳飯屋形式。ちなみにこれで1050円。別に高いとか言わないけどさ。



お風呂に入ったり、本を読んだりして過ごしていると、『洋上で船とすれ違います』のご案内。見物のためデッキに出ると、大海原から唐突に白い船が現れる。同じフェリー会社の船とのことで、汽笛を鳴らし合い行き違う。



時速五十数キロで航海しているというお互いの船は、あっという間に遠ざかっていく。



ずっと寝ながら本を読み、うつらうつら居眠りしているだけなのでお腹も空かない。昼食は抜いて夕食。ちなみにこれは1150円。高いとかは言わない。この食堂、味はとても美味しかった。



夕食を食べてから二時間半後の20:20、小樽の光が見えてくる。海の旅は下りてしまうのが嫌になるくらいとても快適だったけど、陸が見えてくるとやっぱりほっとする。



車に乗り込み、ゲートの開くのをわくわくと待っている周囲の観光客。到着したらみんなどこに行くんだろう。きっとホテルだろうか。いきなり稚内に向けて走り始めるのなんて私だけなんだろうなあ、とちょっとした不安を抱きつつ、夜の北海道へついに飛び出していく。