妙高山(二十三座目/百)


四日前。登山の予定が霧ヶ峰の散策となってしまったので、どうも物足りない。紅葉ももうちょっと見ておきたいなーというのもあり、盛期を迎えているという上越を目指すことにした。


【行き方】
色んなルートがある妙高、今回は燕温泉登山口を採る。
上信越自動車道妙高高原ICで下車、国道18号で少々北上したのち、県道39号で行き止まりまで走った所に燕温泉がある。私が行ったときは夜間工事のため一つ手前の信濃町ICで下され、県道39号も落石のため一部通行止になっており、途中県道396号へ迂回して関温泉経由で向かった。



前日夜に出発、黒姫野尻湖PAで仮眠を取ったあと、5:30到着。広い駐車スペース、トイレもあり。平日ということもありまだ十台くらいだった。



駐車場から急な坂道を登って小さな温泉街を通り抜けると、登山口入口。二手に分かれたルートのうち、麻平方面に向かう橋が通行止になってるみたいなお知らせが貼ってあり、南側の北地獄谷を通るルートしか行けないような感じ。あんまりよく読んでない。



序盤は、スキー場みたいなアスファルトの斜面を登っていく。あ〜このタイプか……苦手なやつ。(別段得意なやつもないけど)



天気は快晴。期待は高まる。



えっちらおっちらと歩いて6:15、再び『入口』の看板。



上部の紅葉はもう終わり掛けなのか、茶色く枯れているのが目立つような。



6:40、赤倉温泉源湯。当然温かいと思って手を出したら、普通に冷たい水だった。こういうときって心臓への負担が大きい。



山裾はまだ黄色く色づき、朝日に輝いている。



白樺の木々も目に眩しい。



地獄谷後半は飛び石で渡渉したり、河原を歩いたり。ちょっとマークの分かりにくいところもあり、増水したら恐いと思う。



7:15、四合目の麻平分岐。



山頂方面を見遣ると、いつの間にかガスに覆われている……



7:45、胸突き八丁入口。えっ地図にはそんな記載なかったのに!



胸突き八丁に入ると、その名のとおり急坂が続く。



高度を上げるに従い、雲が近づいて辺りが薄暗くなっていく。



8:00、五合目。ガスで岩が濡れていて滑りやすい。



8:30、六合目の天狗堂。赤倉登山道と交わるところでもあり、休憩している人がぼちぼち多い。



8:55、八合目の風穴。写真右上にぽつぽつとある直径10センチくらいの黒い穴が風穴らしい。手をかざすも風は感じず……。
ここで小休止、おにぎりとバナナを取り出し猿のようにもぐもぐ食っていると、道中ずっと同じようなペースで歩いていた若い山ガールちゃんたち三人組に再び追いつかれ、少々言葉を交わす。にしてもこの子たちは、登りながらもず〜〜〜っと喋っている。私は黙々と歩いてもゼエハアしているのだが、一体どんな心肺機能を有しているのだろうか。。。



ガールちゃんたちには先に行って頂き、再びゆっくり歩き出すと、いよいよ本格的に雲に近づいてきた。



9:45、九合目の鎖場入口。



結構急。



短い時間のあいだで、雲に包まれたり、



風で吹き飛ばされ、再び青空が覗いたりと空模様はくるくる変わる。



鎖場を終えても、まだ急な岩稜が続く。



いつ降ったものなのか、岩にこびりつくように雪が。



雲を突き抜け、最後の高みを目指す。



10:20、十合目。十合目? あんまり見ない看板。



十合目を通るとすぐに妙高大神。



何ぞ祀られている。山頂よりもここの方が10mほど標高が高い。



妙高大神から、平坦な道を山頂に向けて少々歩く。



10:30、登頂。山頂直下の日本岩で遊んでいて、遅れてやって来た山ガールちゃんたちに撮ってもらった。



山頂は晴れていて良かった!


山頂はとても寒いし、下山後も四時間かけて高速を運転しなければならない。十分ほど滞在し下山を開始するも、岩稜帯で大渋滞に巻き込まれる。そして鎖場をぞろぞろ登って来るのは推定R70くらいの団体さん。集団が崩れるのが嫌なのか、一向に下山の道を譲ってくれない。海老蔵似のかっこいいお兄ちゃん、中高年の五、六人グループ、そして私はただひたすら立って待つ。一緒に待ってる中高年グループのオッサンがうろうろするので、何度もザックに押されて崖から落ちそうになった。まじやめて。なんでこう老人は集団になると周囲に目が行き届かなくなるの??

ようやく順番が回ってきて、鎖場待ちをしていた中では私が最後尾だったけど、海老様に促され、海老様の次に入れてもらえた。海老様は鎖場もあっという間に下っていき、私が着地する頃には姿も見えなかった。嗚呼、この色男!!



とか色ボケしていると、あっという間に霧に包まれる。



12:00、再び六合目の天狗堂。すっかりガスで充満、もう誰もいない。



胸突き八丁を下り、渡渉ポイントあたりにくると、更に霧が濃さを増す。見通しが利かない沢沿いの道は、ちょっと怖い……。



濡れた石に足を取られて一発豪快にコケたものの、なんとか雲を抜けて地獄谷まで下りてくる。



写真じゃあまり高度感が分からないけど、この地獄谷は道こそコンクリで固められてしっかりしているけど、谷側はまさしく地獄谷という絶壁。足を滑らせたら谷底までいっちゃいそうなところもあり、結構危ない道なのだ。



一番下まで下りてきた。山はもうすっぽりと雲の中。朝はあんなに晴れてたのになー……



13:30、駐車場。登山者ではない観光客も訪れるので、車がぎっしりになっていた。休憩渋滞込でおおよそコースタイムくらい。まあこんなもんでしょう。


汗をかいた身体が冷えてきたので、駐車場に一番近い旅館、花文でお風呂。男性400円、女性500円。なんで?

お風呂には関係性がよく分かんないR30二人組がいて、一人はずっと湯船。もう一人はずっと洗い場。湯船の人はいい加減のぼせて出たいみたいだけど、もう一人が待っててくれと言う。の割には急ぐ様子もなく、何故かシャンプーもリンスも二回ずつ、「そんなの意味ないって」と湯船の人に怒られたりしてる。私がのんびりと髪洗って身体洗って湯船に入ってもまだ髪をいじっていた。そして私が上がって間もなく、二人そろって出てきた。
お前全然温泉浸かってねえな! 私は心で突っ込んだ。 (今回の記事は抒情的に終了よ)